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レポート公開|アルゼンチンのバイオテックスタートアップ市場について

グローバル・カルテットでは、さまざまなテーマで自主調査レポートを公開しています。 第64回は「市場分析レポート|アルゼンチンのバイオテックスタートアップ市場について」をお届けします。
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テーマ
市場分析レポート|アルゼンチンのバイオテックスタートアップ市場について(全13ページ / 約1.8MB)
目的・背景
近年、世界的に慢性疾患の増加やがん、糖尿病、心血管疾患などの治療ニーズの高まりにより、医療バイオテクノロジー市場が急速に拡大している。バイオテック(バイオテクノロジー)とは、農業産業分野からの応用を含む細胞培養、DNA組換えのような生物学的プロセスでの薬の生産、新規治療法、ワクチン生成などや免疫系、シグナル伝達のような生物システム疾患の診断・治療、創薬ターゲット探索、多様な疾患研究などを利用して製品やサービスを開発・製造する技術分野を指す。2025年には世界のバイオテクノロジー市場が1兆3463億米ドルに達し、2032年までに2兆3347億米ドルへと成長する見込みで、その年平均成長率は12.3%に達すると予測されている。
アルゼンチンのバイオテックスタートアップ企業数は世界でもスイス、ベルギーに続く10番目に多くアルゼンチンの国産業である。政府の科学技術振興政策や大学・研究機関の活発な研究開発が相まって、幹細胞療法や遺伝子治療などの先端医療技術の研究や実用化が進んでいる。バイオテクノロジー研究機関は、精密医療や診断技術の高度化に貢献し、地域の医療水準向上に寄与している。アルゼンチンの医療市場は、2024年に約5,070万ドル(約50億円)規模の収益を上げており、2019年から2024年までの年間平均成長率(CAGR)は2.4%で南米の医療提供者市場全体の約9.8%のシェアを保持している。さらに、世界的なバイオファーマサービス市場 の成長やデジタル技術の活用により、アルゼンチンの医療バイオテック分野は国際競争力を高めつつある。
アルゼンチンは南アメリカ大陸の南部に位置し、23の州と連邦首都ブエノスアイレスからなる連邦国家だ。 国土面積は約278万平方キロメートルで世界第8位の広さを誇り、人口は約4600万人。経済規模は中規模で、国土の広さを利用し農業が主要産業の一つとして大豆や牛肉などの輸出が経済を支えている。アルゼンチンは中南米の中でも比較的早くからスタートアップ・エコシステムが形成されており、その背景にはQS世界大学ランキングにおいて67位のブエノスアイレス大学やアルゼンチン国立科学技術研究会議(CONICET)のような国内外最大規模の研究機関がそろっているなどの環境が整っていることが挙げられる。同時に政府の積極的な支援政策、豊富な研究開発人材、そして国際的な投資の流入により、この分野は着実に成長を続けている。2018年のバイオテクノロジー法制定 以降、投資誘致、輸出増加、雇用創出において顕著な成果を上げており、現在では340社を超えるバイオテック企業が活動している。
アルゼンチンにおける高い人材力や政府の支援体制に加え世界的な医療ニーズの高まりなど複合的な背景から、今まさにアルゼンチンの医療バイオテクノロジーが国内外から注目されている。南米という先進国とは違うフィールドでの産業発展はどのように行われているのか、その背景とその主な産業企業に関して掘り下げていきたいと思う。
目次
- イントロダクション
- 医療バイオテックとは
- アルゼンチンにおける医療バイオテック産業の発達理由
- 主な主要バイオテックスタートアップとそのサービス
- 今後の展望と課題
- 結論
【リサーチャー紹介】
S. G
大学卒業後、スペイン語圏文化を専門に学んだ経験を生かしてアルゼンチンに移住。現地で6年間、世界有数の金融情報・格付け機関にて、日本企業データのQAおよびデータ収集・分析業務に専門的に従事した。
その後、ニュースメディア領域において生成AIを活用した記事配信システムやQAに携わるとともに、フリーランスとしてコンサルティングやデスクトップリサーチも行っている。
国際的なリモートチームでの経験も豊富で、欧米・ベトナム・インドを含む多国籍メンバーと協働してきた。多文化環境における柔軟な対応力と、データ品質管理・分析、そして多言語での情報収集に基づくリサーチ力を強みとする。
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