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レポート公開|国内外における子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種動向

グローバル・カルテットでは、自主調査レポートの公開を開始しました。 第12回は「市場分析レポート|国内外における子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種動向」をお届けします。


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市場分析レポート|国内外における子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種動向(全13ページ / 約1.8MB)

目的・背景

子宮頸がんは、15~44 歳の女性の間では、乳がんに次いで罹患率の高いがんであり、 特に 20~30 代の若い女性で増加している。また、毎年、約 10,000 人の女性が新たに子宮頸がんにかかり、約 2,800 人が亡くなっている(2017 年時点)。
今日、子宮頸がんはその原因となる HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種によって、唯一予防できるがんと言われている。2007 年に世界で最初に導入したオーストラリアをはじめ、先進国を中心に接種費用を公費で助成する国は 70 か国以上にのぼっている。
日本では 2013 年4月に予防接種法に基づき定期接種化されたが、接種後に痛みや痙攣などの症状を訴える声が相次ぎ、2ヶ月後にはワクチン接種の積極的勧奨が中止された。その後、ワクチンとそれらの症状は無関係とする研究成果が国内外で数多く出ているが、現在も「積極的勧奨の中止」が続いている。その結果、日本での HPV ワクチンの接種率は長年、定 期 接 種 対 象 世代(小学 6 年~高校 1 年相当の女子)で 1%を切るという極めて低い状況にあった。

しかしながら、少しずつ状況が変わりつつある。2021 年に入って新たに、既に承認されていたワクチン(2 価、4 価)より多くの HPV 型に対応する 9 価ワクチンであるシルガード9 が国内承認された。さらに、医師や専門家、自 治 体 に よ る情報発信や啓 発活 動、厚労省による新たなリー フ レ ッ トの作 成の他、2020 年 10 月 に「対象者等への周知を行い、接種機会の確保を図ること」といった方針の改定がされたことが影響した 為か、ワクチンの接種率が 20%まで回復したといった報道も出ている。
本稿では、今一度、日本と世界の HPV ワクチンの接種状況ついてリサーチすることで、男性へのワクチン接種推奨、日本で「積極的勧奨の中止」が長引いている影響、専門家や医師の啓発による接種率向上の為の動きについて考察したい。

目次

  1. HPV ウイルスと子宮頸がん基本情報
  2. HPV ワクチンの種類と国内での適用
  3. 接種後の様々な症状と HPV ワクチンの関連性
  4. 世界での HPV ワクチン接種状況  オーストラリア/イギリス/デンマーク/アイルランド
  5. 日本の状況  予防接種への信頼性の低さ/北海道大学による調査/積極的勧奨の再開について/医師や専門家による啓発活動
  6. 考察

【リサーチャー紹介】

高橋啓子
明治大学 政治経済学部 政治学科卒業。
総合商社のヘルスケア事業部門にて主に医薬ビジネスに携わる中、調査業務にも従事。
7年勤務した後、渡英に伴い退職。子育てが落ち着いたことをきっかけに、2020年よりロンドンからフルリモートフリーランスとしてグローバル・カルテットに参画。

※高橋紹介記事はこちら

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