【活動報告】「オンライン時代も伝わるスライド作成術」セミナーレポート

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オンライン商談に特化した資料づくりのポイント

2021年1月20日(水)に代表 城が講師となって開催した「オンライン時代も伝わるスライド作成術」。新型コロナウィルスの影響でオンラインでの商談の機会が増えていることを受け、資料づくりの基本ルールに加えて、オンライン商談に特化した資料づくりのポイントをお伝えしました。こちらでは、城が当日お伝えした内容のサマリーをご紹介します。  

オンライン商談のスライドは「5秒で分かる」が鉄則

はじめに、オンラインとオフラインのスライド(資料)で何が違うかということをお伝えします。 資料づくりで大切なのは「その日の商談・対象者にフィットしたストーリーになっているか」ということですが、オンラインで使用する資料に関しては、これに加えて「キースライドは5秒で伝わる」というのがとても重要になります。

対面で行う商談の場合、資料は出力したり、会議室にあるモニターに映写したりして共有するため、参加者は皆が同じ条件で大きさの資料を見ることができます。  一方、オンラインの場合、参加者それぞれ持っているデバイスや画面の大きさが異なります。中には、全画面表示ではなく、複数のウィンドウのひとつで資料を見ている人も。つまり、参加者それぞれ異なった環境、異なった大きさで資料を見ているため、想像以上に資料が小さく表示されているケースが非常に多いのです。資料の情報量が多すぎたり、文字が小さすぎたりして、資料の中身がほとんど伝わらない危険性があります。

五感でもっとも情報取得量が多いといわれる目。その割合はなんと80%で、情報のほとんどを目から取っていると言っても過言ではありません。その目できちんと情報を取っていたとしても、人というのは1時間後に半分忘れ、翌日には3/4忘れてしまいます。だからこそ、「5秒で伝わる」くらいシンプルに仕上げる必要があります。 

資料作成に必要な4つのステップ

オフライン・オンライン関係なく、資料作成の基本的なルールについてもよく分からないという方が多いかと思いますので、改めて基本ルールを簡単にご紹介します。資料を作る際は以下の4つのステップで進めていきます。

  1.  課題の特定や作成目的の確認徹
  2.  構成案作成
  3.  リサーチ/分析
  4.  スライド作成

徹底していただきたいのは①〜③の工程では、パワーポイントは使用しないこと。いわゆる左脳を使う①〜③を進める際は、エクセルなどテキストベースで徹底的に情報を整理しながら考えるようにいただきたいと思います。資料づくり全体の業務割合でいうと、①〜③で約8割、スライド化するのが2割くらいのイメージです。それほど重要なステップになります。

資料の心臓となる構成案の進め方

資料づくりの4つのステップの中の②構成案については、特に悩まれる方が多いので、少し掘り下げてお伝えさせていただきます。資料の要、心臓ともいえる構成部分は確かにもっとも難しいところですが、以下の3つの過程に沿って進めていただくと、かなり進めやすくなるかと思います。

  1.  骨子固め
  2.  キーメッセージ作成
  3.  詳細ストーリー化

構成部分でもっとも大切なのは、②のキーメッセージ。1スライドにつき1つのメッセージ決め、それからスライドに必要なファクト(データ)を取りに行くという流れを守ってください。多くの方が勘違いされていることですが、ファクトを収集してから、ファクトに対してメッセージをつけていくという順番はNGです。これをすると、集めたファクトはあれもこれもすべて使いたくなってしまうので、無駄な時間をかけて、無駄な情報が多い資料になってしまいます。必ずメッセージを先に決め、そのメッセージで伝えたいことに必要なファクトを探しにいくということを徹底してください。 ③の詳細ストーリー化では、全体を通して説明してみることが大切です。私自身も今日のこの資料を作る際にこの段階で3〜4回は練習しました。実際に説明してみて違和感がないかどうか、伝えたいストーリーになっているかどうかをこのタイミングで確認してから進めてください。  

ちなみに、上司から「7割くらいできたら確認させて」と言われることがあると思いますが、パワーポイントで7割仕上がっているタイミングではもう遅すぎます。レビューしてもらうなら、この構成案の段階、テキストベースで骨子が固まった状態、メインメッセージが固まった状態で確認してもらうというのが正解です。

個人事業主などお一人で活動されている方も、資料づくりにおいてこの段階はとても重要なので、もうひとりの自分を空想しながら、徹底的に考え抜き、実際に何度か説明してみるなどしてブラッシュアップしてください。

オンラインでしっかり伝わるビジュアル化ルール3ヵ条

資料づくりの4つのステップの最後、スライド化についてお話します。私はスライド作成にデザインの“センス”はそれほど重要ではないと思っています。大事なのは3つのルールだけ。これさえ守っていただければ分かりやすい資料に仕上がります。その3つが「揃える」「絞る」「残す」です。特にオンラインで大事なのが、③の残す「余白」。小さな画面でもストレスなく伝わるように、意識的に「余白」を残すようにしてください。

スライドを短時間で仕上げるポイントとしては、いきなりパワーポイントを開いて作り込まないこと。手書きで構わないので、ざっくりとラフを描きましょう。この工程を挟むとかなり効率的に仕上げることができます。  

最後に、スライド(資料)ビジュアル化ルールのまとめがこちらです。  

  • 表・図・文字の位置を揃える  
  • 図形・色・伝えるべきデータを絞る  
  • ビッシリ埋めない。余白を残す  
  • 長文NG。可能な限り箇条書きに分解する  
  • スライド作成の前にラフ画を描く

 

繰り返しになりますが、資料の基本ルールはオフライン・オンライン関係ありませんが、見せ方は異なります。「5秒で伝わる」と「余白」を意識し、オンライン商談の資料をブラッシュアップしていただけたらと思います。

 


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