【調査企画者座談会(後編)|リサーチャーが語る、調査会社を選ぶときのポイント】

更新日: 2021.08.20

「リサーチ業務」と聞くと、調査を実施してその結果をまとめる仕事をしているというイメージがあるのではないでしょうか。しかし、それは、「グローバル・カルテット」では、あくまで業務の一部。最も得意とするのは、クライアントと対話をしながら課題を見つけ、調査による根拠を持って課題解決の提案まで行う、課題解決パートナーとして併走するような案件です。

今回の記事では、「グローバル・カルテット」の企画提案業務を支えているコンサル・リサーチ担当メンバー2名と、主に調査企画の立案を担当している代表の城を交えての座談会より、クライアントにとって「本当に使える提案」をするためのこだわりをご紹介します。

(前編)調査企画者座談会〜クライアントに”感動”される調査レポートとは?〜
(後編)調査企画者座談会〜リサーチャーが語る、調査会社を選ぶときのポイント〜

調査の目的に合わせて調査会社の”カラー”を選ぶ

――クライアントから「調査会社」にくる相談案件はどのようなものが多いのでしょうか。例えば、発売前の商品のデザインを決めるために、人気のパッケージやネーミングを調べるときなどに調査会社にお願いするのかな、というイメージがあります。

岡野:そういう側面も、もちろんあります。企画が終わって、商品の最終アウトプットの段階で最後の一手を決めるときにはそのような定量調査はとても有効ですよね。このような調査は設問設定や対象者の抽出や割付などの型が、ある程度決まっているので、大規模調査を短期間でできるネットリサーチ会社が得意かもしれません。

代表・城:そういう「実査のみ行う」リサーチ会社も多いかもしれないですよね。むしろ、それが「調査会社の仕事」と思われがちかも?

――え!違うのですか!? 大変不勉強ながら、「調査会社」=「調査をする会社」とそのままの理解でいました。

岡野:いえ、「調査会社」と一口に言っても、カラーは様々なんですよ。私が以前務めていた日系リサーチ会社は、提案型だったので企画を重視していましたが、前職の外資系リサーチ会社は、型の決まっている調査を回すことが得意。

代表・城:コンサルや、PR会社が戦略を立てるときに一部調査を行うこともありますよね。コンサルは事業戦略は立てますが、その過程で必要な調査は外部の調査会社に依頼することもあります。PR会社は広告戦略ありきで必要に応じて調査も行う。「調査だからどこがやっても同じ」ではなく、カラーを見極めて、調査の目的に合わせて依頼をすることが大事だと思います。

 

グローバル・カルテットの業務範囲は「調査会社」ではない!?

――グローバル・カルテットは企画を立てるけどコンサルとは少し違うのですよね? どのような「調査会社」なのでしょうか?

代表・城:グローバル・カルテットは「調査企画が得意なコンサル」のような感じでしょうか。コンサル会社のように、事業戦略に携わるのではなく、具体的な個別事例や企画において、ヒアリングで課題を特定し、調査を根拠にして、クライアントの課題解決提案まで行います。特にヘルスケア、医療分野が得意です。

▲グローバル・カルテットで提供しているサービス一覧。これ以外にも英語に強いメンバーの多いグローバル・カルテットでは、英語でのレポート作成、本国レポートの和訳なども行っている

岡野:グローバル・カルテットは「調査会社」というのか……定義が難しいですよね。「調査が得意なコンサル」のようなイメージです。ヒアリングで個別の課題を特定し、調査を根拠にして、クライアントの課題解決提案まで行う。私もそもそも自分の肩書きが「リサーチャー」なのかは悩みます(笑)。

代表・城:定義は私も悩んでいます(笑)。以前クライアントさんに「グローバル・カルテットは”難治の病”を治療する調査会社みたいだね」と言われたことがあって。

――難治! ヘルスケア業界ならではの例えですね。個別対応が重要なケースという意味でしょうか。

代表・城:そうです。個別ケース、課題ごとに、ゼロからの調査設計の提案を行うことも多々あります。企画の最終段階で最後の意思決定に参考にするような定量調査(人気投票みたいなもの)の場合は、ある程度「型」が決まっているので、ゼロからの調査設計は必要ない場合が多いです。しかし、「グローバル・カルテット」が得意な案件は、最終段階というよりは、もっともっと前段階。「課題」がどこにあるのか、をそもそも知るための調査だったりします。誰に、どんなセグメントで、何を、どういう指標で聞くのか。前例がないものだからゼロからつくらないといけない。通り一辺倒の「型」を踏襲するものではないんですよね。

岡野:前職のリサーチ会社は型の決まった調査が得意で、設計から入ることはほぼなく「言われたことだけやる」「言われたデータだけを出す」という事務的な仕事が多くて。きちんと「課題」を見つけて提案するところもやりたくて辞めちゃったんです。

代表・城:課題の打ち手が見えてくるような新しい発見のある調査は、調査企画を書いてる時も、設計しているときも、レポートをまとめているときもめちゃくちゃしんどい!! それって世の中にまだない価値観を探すフレームを設計するところからやっているからだと思うんです。真似できる「型」のない調査だから。しんどいけど楽しいんですよね〜!

吉野岡野:うんうん…!

▲調査が大好きという面々(上段左:吉野 下段左:岡野 下段右:城)※インタビューあさのみ

――調査会社には、やりたいことを具体的にまとめて依頼するのが普通なのかと思っていましたが、かためきる前の相談でもいいのですか?

代表・城私のポリシーは、クライアントに”よけいな時間を使わせない”こと。やりたいことをまとめる=調査企画を書くのは、プロの私たちに任せていただければいいんです。例えば、1スライド程度で、調査をしたい背景や目的などがあれば、そこからしっかりヒアリングして企画に落としこみます。まとまらないままのご相談もありますよ。

吉野:私も、クライアントとよく話すことは特に大事にしています。打ち合わせの後などに、本音というか、本当に課題に思っていることが出てくることもあったりするので、コミュニケーションの中で「本当にその担当者が解決しようとしている課題」をしっかり拾いたいんです。担当者さんがモヤモヤしている状態のままだと、良い調査はできないので。最初にかためきるよりもしっかり課題をつかんでから設計したいです。

代表・城:本当にその通り。だから、「外部に部分的に業務を委託する」というより、共に課題を解決するパートナーとして信頼し合ってお仕事ができると嬉しいなと、日々感じています。英語の翻訳困ってる〜!みたいな部分的なご相談も大歓迎なんですけど、そこばかりだと「調査会社」らしさはなくなっていきますね(笑)。最後は宣伝のようになってしまいましたが、お困りの方は、お気軽にご相談ください。

取材・文/あさのみ ゆき


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