グローバル・カルテットは、フリーランスや副(複)業リサーチャーが集まって業務を受託する専門チーム。「世界のどこにいても働き続けられるカタチ」にこだわってきた弊社では、フリーランスだけでなく副業や社会人インターンなども活躍中です。今回は当社で活躍するフリーランスで同じプロジェクトに参加した2名のリサーチャーに対談形式でインタビューを実施。個人で仕事を受託する時とチームで進める時の違いやメリットなどをお聞きしました。
参加メンバー
- リサーチコンサルタント 森中秀一(フリーランス/神奈川県在住)
- リサーチコンサルタント 後藤正太郎(フリーランス/イギリス在住)
フリー転身後すぐグローバル・カルテットで運命の出会い
−まず、それぞれのご経歴と専門領域、またグローバル・カルテットで主にどのような仕事に携わっているのか簡単に教えてください。
森中 私は会社員として長く消費財領域のマーケティングの仕事に携わってきたのですが、3年ほど前にフリーランスに転身しました。グローバル・カルテットでは「自主調査レポート」の執筆を中心に活動しています。
後藤 私は大学院卒業後、土木系、主に水や環境関連の技術者として働いていましたが、その後、総合コンサルティング会社に転職し、水や空港・道路といったインフラ領域のコンサル案件に携わっていました。その会社を今年4月に退職し、5月からグローバル・カルテットにジョインしました。
−後藤さんは現在イギリスにお住まいですよね?
後藤 はい。会社を辞めたのはイギリスの大学院に入学するためで、ちょうど9月にロンドンに来たばかりです。前職では、水分野を中心に広くインフラについて担当していまして、海外調査などを扱う機会も多くありました。そこで、イギリスの大学院で自分の興味のある新興国の水、環境などについてより深く学びたいと思い、進学を決めました。
一方で、勉強だけでなく、リサーチやコンサルの仕事も無理のない範囲で続けたいという思いがあり、グローバル・カルテットで主に海外に関する市場調査を担当させていただいています。
イギリスの大学院に通いながら当社で活躍する後藤さん
−森中さんは、後藤さんとフリーランスチームで同じプロジェクトに携わったそうですが、そのきっかけを教えていただけますか?
森中 私がお付き合いをさせていただいているクライアントからのご相談がきっかけでした。私も、その会社の担当の方も、今までに経験したことのない領域の案件が発生したのですが、誰も分かる人がいない。そこで「外から人材をアサインするしかない」ということで、そのお客様はもちろん、私自身も適切な人材を探すことになったのですが、要件的になかなかマッチする人が見つからず…。
その時、パッとひらめいて代表の城さんに聞いてみたんです。それで繋いでいただいたのが後藤さんでした。ちょうど探していた環境系の知見やコンサルのキャリアがあるということで相談したところ、ご快諾いただき、無事プロジェクトに参加していただけることになりました。
後藤 お話をいただいたのは数カ月前で会社を辞めてフリーランスとして仕事を始めて間もない頃でした。おかげさまで8月末にプロジェクトはほぼ完了し、安心して渡英することができました。
−会社を辞めてフリーに転身した直後、イギリスに渡る前のちょうど良いタイミングのプロジェクトだったんですね。
自由さがありながらも孤独ではない働きやすさがフリーランスチームの良さ
−今回、森中さんのお客様ではじめてフリーランスのチームとして仕事をされたとのことですが、個人で進める場合との違いはありましたか?
森中 個人ではなくチームとして動いたことで良かった点はたくさんありました。まず、当たり前のことですが、個人の場合は、私自身のアイデアは私以上にはなりません。人が多ければ多いほど発想も広く深くなるということがあると感じました。
また、チームで仕事をしたことでお互いのスキルや知識から学べることも多くありました。さらに、今後同じようにチームで案件を受託する場合、こういう案件は誰に相談すればいいかというネットワークが構築できたこともかけがえのないポイントです。こういったコネクションはフリーランスで活動しているとなかなか築きにくいので、本当に大切な機会でした。“知り合う”くらいはできますが、一度仕事を一緒にするとかなり関係性も深くなりますので、それ以降のコミュニケーションも大変スムーズになります。
後藤 私は会社を辞めて間もなくで参加したプロジェクトでしたが、チームでありながらも時間の縛りがなく自分のペースで仕事ができるのは、会社員時代とは大きく異なる点でとても進めやすかったですね。
また、森中さんのおっしゃるように、今まで働いたことのないような方たちと働けたのも大変学びがありました。会社は、経験やスキルや価値観などが似たような人材が集まっていると思いますが、フリーランスのチームは何もかもがバラバラで、新鮮でした。
今回の案件はチーム内での連絡も密でしたし、想像していたよりチームとしての体制が整っていました。もう少し、個人個人がそれぞれ動くのかと思っていたのですが。それが返って、寂しくないというか、いつでも情報を分かち合える仲間がいる感覚もあって、不安に感じることが少なかったです。
森中 チームだと寂しくないというのはありますよね。フリーランスになって個人で仕事をすると、どうしても孤独になることが増えますから。チームだと、精神的に救われることもありました。
「フリーランスの立場を生かして日本のビジネスの底上げを目指す」と話す森中さん
プロジェクトの目的に集中。フレキシブルかつピンポイントで生産性の高いチーム体制
−発注されたお客様の反応はいかがでしたか?
森中 とてもよかったです。お客様にも多くのメリットを感じていただけたと思います。このプロジェクトはアドバイザーも入った数名のプロジェクトでしたが、みんなそれぞれ得意領域が違って、高いスキルや知見を持っていました。そういったプロフェッショナルな人材が必要な時に、必要なボリュームの仕事をプロジェクトというかたちで無駄なく活用できたのは大きな発見だったと思います。社内にない知見や知識を即座にピンポイントかつフレキシブルに使え、しかも企業に依頼するより、リーズナブルなコスト感で実現できたのも喜ばれたポイントだと思います。
後藤 あと、フリーランスのチームとして良かったのは、全員が「この案件のために集まった」ということもありそうです。全員がこのプロジェクトのために集まり、動く。「目的」に向かって進むことにフォーカスできたのはフリーランスチームだからこそですよね。
会社員だと、他の仕事や他部署との関係性、会社の利益など、プロジェクト以外に考えなければならないことって意外にありますから。本来、集中すべきことに全員が集中できる環境というのもフリーランスチームならではで、受発注いずれの側にとっても大きなメリットになる気はします。
森中 もちろん会社だからこそのメリットもあると思います。主に機密保持の問題などが挙げられますが、会社同士で仕事をする安心感はまだ根強くあると思います。ただ、フリーランスでもそのようなリスクを回避できるよう、使う側も使われる側も正しく行動できるようになれば、他の会社もどんどんフリーランスをチームで活用する例が増えてくるのではないでしょうか。
−フリーランスのチームが一般的になれば、今以上にフリーランスが活躍できる場面も増えそうですね。
森中 その通りですね。フリーランスとして活動するデメリットの一つにアウトプットの仕事、つまりこれまでの経験やスキルをアウトプットする仕事の割合がどうしても多くなってしまうということがあります。当然ですが、誰もフリーランスに未経験の仕事なんて発注してくれないので、過去に実績のあるスキルをアウトプットの仕事がメインになるんです。
会社であれば、未経験の仕事でも組織で受けるので、いくらでもチャレンジできるんですが、フリーランスが個人で仕事をすると一気にチャレンジが減ってしまうことがあります。しかし、今回のようにフリーランスのチームになると、未経験の領域やレベル、ボリュームなど「できるか不安だけどやってみたい」という背伸びをした仕事を受けることができます。それはつまりインプットの仕事に繋がるのだろうと思います。インプットの仕事が増えれば、フリーランスもチームで受ける機会が増えれば、成長もできるし、収入アップも期待できます。
自分のスタイルに合わせて働く。将来的には、日本ビジネスの成長に貢献も
−最後にこれからこんな仕事がしてみたいなどあれば教えてください。
後藤 自分自身の興味を持っている新興国の水、環境の問題にについて、大学院でより学んで行くとともに、常に1案件は仕事も続けていければと思っています。
森中さんのおっしゃる通り、インプットとアウトプットのバランスは私も大事だと思っています。大学院で知識を入れるだけではなく、仕事を通してアウトプットし続けないと、実務の感覚や仕事を進める上でのコミュニケーションの感覚が鈍ってしまいそうな気がします。知識だけを深めるのではなく、そういった仕事の感覚も保ち続けて、社会人として自分自身を磨いていきたいと思っています。
森中 チームでやることで仕事の領域を広げたいというのはもちろんですが、さらにこれからは大手の仕事とスタートアップや中小企業の仕事のバランスを取ることも重視していきたいです。
フリーランスになって、地方の中小企業やスタートアップ・ベンチャーに関われる機会が増えたのですが、とても良い商品を扱っていてもマーケティングが苦手だったり、販路を開拓するスキルがなく困っていたりします。一方で大手企業は最先端のビジネスのメソッドを持っています。両社と仕事のできるフリーランスという立場だからこそ、そういった大手のメソッドを自分を介して地方の中小やベンチャー企業の支援に役立てられたら素敵だなと思うようになりました。
応援したいビジネスや会社を自分で選んで仕事できるのもフリーランスの良いところ。その利点や立場を生かして、日本全体のビジネスの底上げすることを目指せればと考えています。
(インタビュー・文 / 山本恭子)
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