【グローバル・カルテット リサーチャー紹介|森中秀一 】

更新日: 2022.12.07

グローバル・カルテットは、フリーランスや副(複)業リサーチャーが集まって業務を請け負う専門チーム。「世界のどこにいても働き続けられるカタチ」にこだわってきた弊社では、社会人インターン、育休インターン、学生インターンも活躍中です。この記事では、「ベトナムにおけるフードデリバリー市場の現状」など、多数のダウンロード実績を誇る「自主調査レポート」の執筆を中心に活躍するリサーチャーを紹介します。

営業職からマーケティング・リサーチへとキャリア転換。
ビジネス系フリーランスとして新時代を切り拓く 森中秀一さん

 プロフィール

関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科修了 (経営管理修士)。商社や外資系消費財メーカーなどでセールスやマーケティングに携わったのちに独立。現在はフリーランスのコンサルタントとして、スタートアップ企業から上場企業まで幅広いクライアントを支援している。主にコンシューマー向け食品、消費財の市場調査や定量データの分析を中心に、年間数十件のプロジェクトに従事。

営業職からのキャリアチェンジ

−いつからマーケティングやリサーチの仕事をされているのでしょうか。

新卒から10年以上、営業職で本当に「泥臭い」ほどの営業をやってきました。その中で数字が上がらず退職に追い込まれる同僚を見たり、会社の統廃合を経験したり、事業の引き継ぎをしたり…。そういった状況を目の当たりにして、「一寸先は闇だな」と感じ、自分に何か専門性をつけなければと思って、興味のあったマーケティングを体系的に学ぶためにビジネススクールに通いました。 営業の現場で感じていたこともマーケティングの考え方で整理できて、マーケティングって面白いなと思いましたね。

−ビジネススクールで学んだマーケティングの知識は仕事でも活かされたのですか。

正直すぐには活かせなかったですね。実績のない自分が「座学」で学んだマーケティング理論を振りかざしても、残念ながら社外にも社内にもあまり受け入れられません。 ただ、転職して外資系企業に移ってからは、そういったマーケティング理論を使う機会も徐々にですが増えていきました。 といっても、ブランド戦略とか、広告戦略といったことではなく、どういった販売チャネルで売っていくか、店舗ではどういうプロモーションが効果的かといった、かなり現場に近いマーケティングです。でも自分はその方が好きでしたし、営業の経験も活きました。

フリー転身後は信頼を貯めることからスタート。たどり着いた強みは会社員時代に培った“ゼネラリスト”スキル

−フリーランスになってから、どのような仕事から始めたのですか。

手探り状態だったので、クラウドソーシングサービスに登録するところからのスタートでした。 ビジネススクールで学んだとはいえ、マーケティングやリサーチの専門スキルがあるわけではなかったので、「データ入力」や簡単な「市場調査」とか、数百円単位の簡単な仕事も試したりしていたので、初めは月に数万円程度の稼ぎでしたね

−どのようにご自身の得意領域を見つけていかれたのですか。

初めは稼ぐことが目的ではなく、とにかく信頼の証となる「星の数」を集めようと思っていました。 依頼主が「面倒だから安くやってほしい」という簡単な案件で信頼を貯めていたわけですが、そのうちクライアント自身が「何かやらなきゃいけないけど、何からやればいいか分からない」といった案件も出てくるように。そのような不透明な課題に対して、「御社はこういうビジネスをやられているので、ここを調べて、それを戦略に落としていきましょう」という提案すると喜ばれることが増えていきました。 なんとなくの課題に対して「とにかく調べなきゃ」と思っているクライアントに対して、市場調査から戦略に落とし込むという部分をお手伝いするのが、“ゼネラリスト”である私は得意だし、お客様にも喜んでいただけるということが分かってきたんです

−調査から戦略というのは、ゼネラリストだからこそ実現できることですね。

スタートアップの経営戦略などはまさにそうですね。大企業では戦略までいかなくても、「係長クラスで上に報告するなら、このデータがほしいだろうな」「こんなストーリーなら社内承認が取れるかな」ということも想像できるので、社内報告用の資料なども提案して喜ばれます。これも私のサラリーマン経験が活きていますね。 私は市場調査・データ分析をやっていますが、専門的な分析コードを読むとか何かに特化した領域では専門家に敵いません。ただ、集計・分析から洞察して最終的にパワーポイントでストーリーを作ってビジュアライゼーションをするまで横串でこなす、事業計画や戦略に接続するところまで提案できるのが強みだと思っています。

−データサイエンティストの中でも大変な強みなのではないでしょうか。

機械的な分析コードを読んだり、専門的な統計学を活用したりといったことは、専門家には敵わないですが、大量にあるデータの中でどこに意味があるか見極める。それが私の強みかと思いますし、集計・分析が機械による自動化が進んでも、この見極めは人間でないと難しい領域だとも思っています

領域は限定しない、でも職能は強みに限定。ビジネス系フリーランスの実例となるように

−まさに「自主調査レポート」でもマーケットやデータを見極める力を発揮されていますね。「自主調査レポート」を始められたきっかけを教えていただけますか。

少し手が空いて新しい仕事をやりたいと思っていた頃にグローバル・カルテットと出会いました。グローバル・カルテットでも、ちょうど「自主調査レポート」を始めた時期で、是非にとお誘いいただいて挑戦することにしました。

−レポートを執筆する際のリサーチ方法を教えていただけますか。

基本的にはデスクトップリサーチですが、場合によっては専門家の方にヒアリングすることや、アンケート調査などを行うこともあります。 これまで食品や消費財メーカーでの経験が長く、ヘルスケア業界での勤務経験はありませんが、消費財とヘルスケアは近い部分も多いと考えています。このような私の得意領域と、グローバル・カルテットの専門領域を繋ぐテーマを見つけて執筆させていただいています。今後も、得意分野である調査や分析といった職能を軸に、業界や領域は少しずつ広げていきたいと思っています。


休日に子どもと過ごす大切な時間

−職能は限定しつつ、業界は広げていきたいということですが、お仕事をされる上で大切にされていることはありますか。

3つありまして、ひとつは好きな仕事だけやるということ。フリーランスになってこれまでいろいろな仕事に挑戦してきましたが、「好きなこと」は絶対にアウトプットのクオリティが高くなります。当然、クライアントの満足も高くなりますし、自分自身にとっても勉強になって、メリットしかないんです。もちろん、好きなことを仕事にするために努力は必須です。でも、嫌いなことなら勉強するのも苦痛ですが、好きなことならそんなことはありませんよね。趣味と仕事、ライフとワーク、公と私が有機的に混同されるのが自分のライフスタイルの理想だと思っています。

2つ目に大切にしているのは、倫理観や道徳観です。フリーランスはまだ新しい形態で、ルールが整備されていないことがたくさんあり、会社員以上に注意を払わなくてはいけないと思っています。例えば、関係性の深いクライアントのライバルのお客様から依頼があった時に、故意でないにせよ顧客の情報を流出させてしまうとか。私のお手伝いしている領域が調査や分析のため、会社にとってセンシティブな機密データを丸ごと渡されるケースも珍しくないので、倫理観や道徳観は自分自身できちんと持っていないといけないと考えています。

3つ目は、1つ目とも近いのですが、すでにお話していた「自分の強みを活かす」ということです。 −最後に、これから挑戦したいことはありますか。 プログラミングやデザインなど私ができない領域を得意とするフリーランスと繋がって、クライアントから受けられるプロジェクトの面を広げたいということは考えています。 また、フリーランスというと未だエンジニアやライターのイメージが強いですが、ビジネス系のフリーランスとしても成り立つし、会社員よりメリットが大きいことも多いことを証明できるエポックメイキング的存在になれたら嬉しいですね。 そういう意味では、グローバル・カルテットで活躍するビジネス系フリーランスの皆さんは、それぞれの強みを活かしてチームでアウトプットを最大化させているというスタイルで、とても素晴らしいと思っています。

(インタビュー・文 / 山本恭子)


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